歩けないほどの深手を負ってなお、浅太郎のケンカ状に応じた力丸。
事実を知り、その力丸とケンカしたことを恥じた浅太郎は力丸を見舞い、力丸の友人・長介に、黙って力丸と同じ右足を刺させた。
そんな浅太郎の友情と、男の純情のために、力丸は涼子をクラブから連れ戻すことを心に誓う。
そのための金を作ろうと、力丸は木場で日雇い人夫のアルバイトを始めた。
浅太郎は競馬で万馬券を当て、手に入れた三万二千円で、涼子の働くクラブ『まなべ』へ行こうと力丸を誘ったが、力丸は「好きな女に逢う時ぐらい、まともな男でいようじゃねえか」と首を縦に振らなかった。
だがアルバイト代をもらった力丸は、その金を手に浅太郎をクラブに誘った。
力丸菊が、初めて働いて手にした金は、親友・花巻浅太郎の夢を叶えてやるための金だったのだ……。
血の掟に従って力丸を倒すべく、番格の車が力丸を呼び出した。
また力丸は、涼子を救い出すために、20万の金を用意した。
「青春どまんなかのオレたちだけなんだぜ! でかい太陽の下を上を向いて走れるやつらは!!」 力丸の説得により学園に戻る決心をした涼子だったが、父親の競馬の借金が膨らみ、簡単に夜の世界を抜け出すことは出来そうもなかった――。
青春の真っただ中を鮮烈に生きる力丸菊の物語が、遂にクライマックスを迎える!!青春の光と影をジェラルミンのマシンに託して生きる若者たち。
ライダーたちは死と背中合わせの夢を追い求めてやまないのだ……。
高まるエンジン音と青春の鼓動とが哀歌を奏でる――! 「750ロック」「750ライダー」など全5編を収録した石井いさみの傑作短編集。
「何のために生きているんだろう? かたちだけ紙ぺら一枚で人間に点数なんてつけていいんだろうか!?」 若者が抱く疑問、焦燥感、そして夢――。
ひたむきに生きる若者たちの姿を、切実なまでにリアルに描写した傑作集第2弾。
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